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スタジオヘッド荒牧岳志が語る“ルミナス・プロダクションズの今とこれから”
新体制で挑む、ワールドワイドに展開するAAA規模のゲームタイトル開発というチャレンジ、その想い

スクウェア・エニックスのゲームスタジオ『ルミナス・プロダクションズ(Luminous Productions)』。2018年3月に発足し、2018年12月に新スタジオヘッドに荒牧岳志氏が就任して、約8カ月が経過した。ルミナス・プロダクションズは今どんな取り組みをしているのか、現在とこれからについて、スタジオヘッドの荒牧氏にインタビューを行った。

新体制で挑む新規IPによるワールドワイド視野のAAA規模ゲームタイトル開発。自社のゲーム開発エンジン『ルミナス・エンジン』の今、最新世代のグラフィックスやAI技術への取り組み、そして……ゲームありきであるという想い。

ルミナス・プロダクションズの展望を聞いた。
(インタビュアー・文 山村智美 / カメラ 小森大輔)

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荒牧岳志

“日本から世界へ新規AAAタイトルを発信する”技術への取り組みから働き方の環境に至るまで、クリエイティブファーストな新体制

「世界中に新しいゲーム体験を届ける!」新体制で挑む新規IPワールドワイドAAAゲームタイトル

ルミナス・プロダクションズが2018年3月に発足し、同年12月に荒牧氏がスタジオヘッドに就任して新体制となってから約8カ月が経過しました。これまでの振り返りと、現状はどのような体制になっているのかをお聞かせください。

荒牧氏:2018年は非常に慌ただしい年でした。『ファイナルファンタジーXV』の追加DLCを手がけていましたが、同時にルミナス・プロダクションズが手がける新規IPのゲームタイトルのためのスタートアップをしっかりやっておこうという準備の1年でした。2019年に入ってからは、その新規タイトルを作り始めています。

荒牧さんは、スタジオヘッドになる前は『ファイナルファンタジーXV』で開発のリードプログラマーでしたよね。

荒牧氏:そうです。「ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION」では、ほぼディレクターというスタンスになっていました。また、ゲームエンジンである「ルミナス・エンジン」の開発責任者もしていました。その頃にも『ファイナルファンタジーXV』の開発に携わる70名近いプログラマーのマネージメントをしてはいたのですが、今はスタジオヘッドという、さらにもうひとつ上の規模の挑戦をしているので、なかなかに苦労しています。

ルミナス・プロダクションズの現状の規模やおおまかな在籍人数はどれぐらいになっているのでしょうか?

荒牧氏:社員は約130名ほどになっています。プロジェクト数はエンジン開発などのR&Dも含めて複数のラインが動いている状態ですね。

プロジェクトの中で最も大きなラインは、やはり新規IPによるAAA規模のゲーム開発ですか?

荒牧氏:そうですね。一番人数が多いのは次世代向けの新規IPによるAAA規模のゲームタイトル開発になっています。スクウェア・エニックスは『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』といった人気タイトルがある会社ですが、ルミナス・プロダクションズは、そこに並ぶような新しいタイトルの開発にチャレンジするという命題を持ったスタジオです。世界で売れる新規IPをしっかりとお客様へ届けていくということが目的ですね。

ワールドワイドな展開を視野に入れたAAAゲームタイトル開発を日本で挑戦できる機会というのは、現状だと正直なところなかなかないですよね。

荒牧氏:おそらく日本ではそんなに多くはないのではないでしょうか。新しいスタジオを立ち上げて、ワールドワイドを視野に入れたAAA規模のゲーム開発を、しかも新規IPで……という、大きなチャレンジは、そうそうあるものではないなと思えます。

そんなチャレンジに、荒牧さんはどんな意欲や展望を抱いているのでしょうか?

荒牧氏:「世界中に新しいゲーム体験を届けたい」っていうと言い方が大げさかもしれませんが、そういう気持ちです(笑)。『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』といったグローバルに支持されるタイトルに並ぶようなゲームを作りたいというのが、私がスクウェア・エニックスに入社してからの長年の夢でしたので、このルミナス・プロダクションズでそれを実現したいと思っています。

ルミナス・プロダクションズには、荒牧さんのように新しいタイトルを生み出したいと考えている人が多いのでしょうか?

荒牧氏:ルミナス・プロダクションズのメンバーは新しいタイトルを作りたいというタイプが多い印象ですね。社員一丸となって取り組んでいます。

ルミナス・プロダクションズには海外の技術者の方も多く参加されているのでしょうか?

荒牧氏:今は社員130名のうち、だいたい20名ほどが海外のクリエイターの方ですね。その多くのメンバーが、これまでに有名なタイトルの開発に参加しています。

日本のスタジオでありつつも、国籍にとらわれないグローバルなスタジオになっていますね。

荒牧氏:そうですね。業務的にも海外とのやり取りが非常に多いので、スタジオには通訳のスタッフもいるんですよ。

荒牧さんはグローバルな環境のスタジオのヘッドとしてスタッフをマネジメントする立場ですが、非常に大変というか、正解のない苦労をされているのではないかと?

荒牧氏:大変ですがやりがいがあります。各国それぞれにゲームの作り方がありますが、ルミナス・プロダクションズではそれぞれの良いところを積極的に取り入れたいと考えています。しっかりとマーケティング調査を行い、リリース前からユーザーレビューを実施したいと思います。ユーザーの動向を分析した上で、技術を持ってそのタイトルを完成させるということを実践していきたいですね。

ルミナス・エンジンに組み込まれている“最先端のさらに先を行くグラフィックス技術”

荒牧さんの考える“ルミナス・プロダクションズの強み”というのはどういうところになるでしょうか。

荒牧氏:まずは技術力です。ルミナス・プロダクションズが持っている技術力は、世界の技術力が高いスタジオにも決して引けを取らないと自負しています。大規模なオープンワールドのタイトルを作れる数少ないスタジオだと考えています。

アートのクオリティが非常に高いということも、大きな強みだと思います。私たちは、スクウェア・エニックス内の高品質な映像制作を担うVISUALWORKSなどの、いわゆる最先端のプリレンダリング映像を制作するチームと一緒に仕事をしていた経緯がありますが、ルミナス・プロダクションズのアートやデザイン制作には、そこで得たノウハウも取り入れています。また、ルミナス・エンジンのグラフィックス技術の強みにも、そうしたプリレンダリング映像制作の技術やノウハウが活かされていますね。

荒牧岳志

そこはやはり自社製のゲームエンジンである「ルミナス・エンジン」の強みとしても直結するところですよね。

荒牧氏:そうですね。ゲームエンジンとしては「Unreal Engine」や「Unity」などいろいろとありますが、プリレンダリング映像制作の技術やノウハウを積極的に取り入れているという点においては、「ルミナス・エンジン」は他のエンジンより秀でています。今では、各コンソールへの最適化やCPU使用率の最適化も、他のエンジンより優位なものになっています。

以前『WITCH CHAPTER 0[cry]』という技術デモを公開したこともあるのですが、世界で初めてDirectX 12に対応したものでした。そうした“最先端の技術に最初期から対応する”という取り組みはそれからもずっと継続していて、最先端のグラフィックス技術に常に対応して最適化しているエンジンになっています。

なるほど。ルミナス・エンジンは今も継続して進化し続けているということですが、例えば、グラフィックス方面だと最近ではどのような技術に対応したのでしょうか?

荒牧氏:分かりやすいところではレイトレースレンダリング(※)の対応に取り組んでいます。

私たちの強みとして最先端のプリレンダリング映像の技術を駆使するということが挙げられますが、リアルタイム映像にもプリレンダリング映像の技術であるレイトレースレンダリングを取り入れるということをしているんです。

また、通常は、ゲーム制作と3DCG映像制作とでは別々のワークフローで、別々のデータを作ることが多いのですが、“映像制作のワークフローで制作したものをそのままゲームに出すことができるし、その逆もできる”ということに、今チャレンジしています。

※レイトレースレンダリングは、光線(レイ)を追跡(トレース)してオブジェクト表面の色や輝度を計算させるレンダリング技術。光の物理現象を擬似的なものではなく正確に表現することで、より自然でリアルな映像を作りだすことができる。

ゲーム用のデータを作らずとも、映像用のデータをそのまま持ってきて使うことができるというわけですね。

荒牧氏:そうです。最先端の映像を作ることに強みを持っている会社は、アメリカや中国にもあるのですが、そこのノウハウを吸収していかないと技術的にも置いていかれます。そうならないよう、映像制作の技術を積極的に取り入れて、それをさらにゲーム用のグラフィックスにもそのまま持っていけるように取り組んでいます。

なるほど。グラフィックス技術の向上として映像業界の最先端を取り込みつつ、そのデータをそのままゲームに持ってこれるようにすることが必要であると。主軸となるのはあくまでゲームということですよね。

荒牧氏:そうですね。ルミナス・プロダクションズの体制変更をした際に“まずゲームをしっかり作った上で他の取り組みを考えよう”と考えました。ゲームを作り、ゲームエンジンを作り、技術とアートでしっかりアピールをした上で、いろんなビジネスチャンスへの展開を考えていくという順序でありたいと思います。

まずゲームありき。

荒牧氏:そうです。やはりゲームでしっかりとチャレンジしたいと思っています。

ゲームファンとして嬉しくなる言葉です。グラフィックス技術についてはグラフィックスボードメーカーとの技術協力などもされているのでしょうか?

荒牧氏:グラフィックスボードメーカーさんもそうですし、コンシューマーハードメーカーさんとも、非常に密接にやり取りをしています。最先端の技術について、教えてもらうというよりも、意見交換をしながら一緒に作っているというところがありますね。

技術を使用するだけではなく、最先端のスタジオとして、ディスカッションをしてグラフィックス技術を伸ばし、応用することに協力もしている、と。

荒牧氏:例えば、DirectXを使うだけではなくて、グラフィックスAPIの開発チームと話し合いをしたりしますし、同じようにグラフィックスボードメーカーさんとも話し合いをしています。そうしたグラフィックス技術に関わるメーカーの方々に、私たちも技術のある会社として認めて頂いている部分があると思いますし、そのスタンスでグラフィックスに取り組めていることは、ルミナス・プロダクションズの強みだと思いますね。

AIによる作業の自動化・効率化によってクリエイターがよりクリエイティブな仕事に専念できる

荒牧氏:ルミナス・エンジンでは、グラフィックス以外にもAI技術の対応に取り組んでいます。特に“AIによる作業の自動化”ですね。同時に、モバイル対応も進めていたりもするんです。

AIによる作業の自動化というと、例えばフィールドマップ上の草木の自然なレイアウトをAIに任せて生成させたりといったものでしょうか。

荒牧氏:それもあります。ですが、それとはまた違った形で、例えば不具合のログを毎日取っているのですが、どんなところで問題が起きているのかといった情報をAIに収集させて、開発者にレポートを送らせるようにしているんですよ。

以前は人の手で懸命に取り組んでいた部分ですね。

荒牧氏:ですよね。あとはQA(Quality Assurance = 品質保証)のチェックも、以前は人海戦術で行うものでしたが、AIに当たり判定のチェックをさせたり、不具合が起きないかをチェックさせているんです。

そうしたデバッグやクオリティチェックの部分もAIにさせているのですね。開発においてのAI運用はいかがでしょうか?デザイナーの仕事はAIに自動生成させるときのパラメーターを調整することに変わりつつあるといったお話も耳にするのですが。

荒牧氏:ありますね。というのも、広大なオープンワールドの世界を人間の手で一から手作業で作っていくというのは……現実的ではないです。そこで、いかにAIの技術を駆使して世界を作っていくかが重要になります。

AIを駆使して世界を作り、その世界で動く物もできる限りAIで作りますし、その品質のチェックまでAIでやっていくということになってきていますね。

ルミナス・エンジンはエンジン内でそれができるゲームエンジンになっているんです。

なるほど。最も大変だったというか、人の手に余るところをAIに。

荒牧氏:やはり、クリエイターはよりクリエイティブな仕事に専念すべきだと思いますので、AIに任せられるところは任せようと考えていますね。

そのあたりはプログラマーでありルミナス・エンジンの責任者でもある荒牧さんらしさが感じられるように思います。そういう意味でも、最先端の技術で本当にやりたいことに専念できる開発環境と言えますね。

荒牧氏:そうですね、そうありたいです。

先ほど、ルミナス・エンジンのモバイル対応というお話も出ましたが、ハイエンドな最先端技術の取り組みからは、モバイル対応は意外に思えるところがあります。どんなコンセプトでモバイル対応をしているのでしょう?

荒牧氏:多くの若い世代のユーザーは広がり続けるモバイル市場にいます。私たちの作るものはハイエンドなものですが、そのハイエンドなゲームを、いかにクオリティを保ちつつモバイルへ落とし込み、プレイできるようにするか。それを主眼においての対応ですね。

ルミナス・エンジン自体はルミナス・プロダクションズで制作しているハイエンドタイトルに使用することを一番に考えているのですが、同時にルミナス・エンジンをもっと広げていきたいという想いもあります。モバイル対応を進めることでルミナス・エンジンを使用してくれるチームが増えますし、増えることによってルミナス・エンジンをさらにパワーアップさせることもできると思います。そういう流れを期待していますね。

なるほど。そうした柔軟な取り組みができるのは自社でゲームエンジンを作っていることの強みですね。他にも自社でゲームエンジンを作っている強みというのはありますか?

荒牧氏:ゲームの試作をかなり早いペースで作れます。数週間前に「新しいバトルコンセプトを考えてみて欲しい」という話をしたのですが、2週間ほどで試作ゲームを開発してきてくれたんです。

そういうスピード感は、ゲームエンジンを自社で作っていて、最適化や開発チームとの連携もスムーズにできるからだと思いますね。クオリティの高い作品を作るなら、ゲームエンジンから作っていくべきだと思っています。

綿密な計画をしっかりと立て、健全な業務スタイルで開発に取り組んでいく。活発なディスカッションで風通しもよく、意欲的に取り組める環境を整える

このインタビューをきっかけに、ルミナス・プロダクションズで働くということを考えるクリエイターさんもいるかもしれません。そうした目線では、社内の雰囲気がどんな感じになっているかも気になるところです。

荒牧氏:そうですね。ルミナス・プロダクションズは発足時からずっと“朝9時30分から18時までの固定勤務”を基本にしているんですよ。結婚している開発者も多いですし、ちゃんと家庭を大事にして、充実した気持ちで会社で集中して働いてもらうということを徹底しています。

荒牧岳志

しっかり集中して働いて、帰ってからしっかりと休んで、気持ちをリフレッシュした状態で翌日出社してもらう。その循環がちゃんとできるようになっています。

AAA規模の開発スタジオというと過酷なイメージがありますが、とても健全ですね。荒牧さんは様々な状況を経験されてきたかと思うのですが、クオリティ特化で取り組むにしても、健全な業務体制で取り組む方が良い結果に繋がるという考えなのでしょうか?

荒牧氏:はい。ただ、それには計画をしっかり立てることが何より大事ですよね。
ただ、やはりマスターアップが近くなると、クオリティをさらに上げていくためにどうしても詰めないといけない時期はあるかもしれません。そのときは、やはりがんばるしかないなというところですね(笑)。

なるほど。スタッフの皆さんの比率はどれぐらいになっているのでしょう。やはりプログラマーさんが最も多いのでしょうか?

荒牧氏:いえ、プログラマーは1/3ほどですね。アーティストも同等です。バランスの取れているチームだと思います。

スタジオ全体では技術研究の時間もかなり重視されているのでしょうか。

荒牧氏:ゲームタイトルの開発チームもそうですが、ルミナス・エンジンを作っているチームは特にアグレッシブな取り組みを続けていますね。この先普及するかどうかまだ分からないような新しい技術もあるのですが、テクノロジーの先行研究をしてエンジンに取り入れています。

そうした技術の取り組みにおいて、社内ではどのようにディスカッションされているのでしょう?

荒牧氏:勉強会や持ち回りでの発表会というのをやっています。それと、今年からはちょっと変わった取り組みとして“社内での企画・アイデア募集”ということもやっています。先日も“このゲームタイトルはどこを強化すべきか?”というアイデア募集をして、80個ぐらいの意見が出たので各自にプレゼンしてもらいました(笑)。

それは役職や年齢などに関わらず、誰でも意見を言えるものなのですか?

荒牧氏:もちろんそうです。みんなが自由にプレゼンできる環境にしたいということもあり、各自のプレゼンを社内にストリーミング配信したりもしたんですよ。

そうした取り組みによって、普段から誰もが意見を言いやすい風通しの良い雰囲気を作りたいというところがあるのでしょうか?

荒牧氏:はい。ルミナス・プロダクションズの社員は全員が一流のクリエイターだと思っていますし、そのクリエイターのタレント性は何よりも大事にしたいです。各々が実力を発揮できれば良いものができると思っていますし、様々な取り組みを通じて社員がさらに成長していくことがスタジオとして必要だと思っています。

とてもいいお話だと思います。ルミナス・プロダクションズに興味を持った方々についてはどうでしょうか。即戦力が望ましいかと思いますが、これから成長していこうとしている人の採用はいかがですか?

荒牧氏:ルミナス・プロダクションズのプログラマーの採用構成比は、即戦力の人と、これから挑戦して成長していきたいという人で半々になっています。どのような経験をされてきた方でも活力や意欲のある人は会社に良い影響を及ぼしてくれますので、そういう人たちの力は大事にしています。

その人のスキルに応じた仕事をやっていただければいいですし、それをベースにスキルを伸ばしていくことができると思います。周囲の人も、そういう向上心のある人の存在に刺激されて成長するところもあると思います。ルミナス・プロダクションズは、様々なキャリアの人にとってチャレンジできる環境が整っている会社だと思います。

先ほどのお話のように、そういう成長過程の人からもアイデアを聞くということですし、そうした風通しの良さをやはり大事にしているのですね。

荒牧氏:はい。私自身はそこまでのアイデアマンではないと自分で思っています。ですが会社としてビジョンはしっかりと打ち出しつつも、各クリエイターからのアイデアを引き出して成果に繋げていきたいです。

良いアイデアが社内からたくさん出ると、荒牧さんもさらに大変になりそうですが。

荒牧氏:いえいえ、良いアイデアが出てきてくれれば、私は楽をできて嬉しいです(笑)。

(笑)。

世界に向けて何をしていけばいいかを常に考えるスタジオでありたい

『ファイナルファンタジーXV』では海外のファンやコミュニティとも繋がりができていったそうですが、ルミナス・プロダクションズでもコミュニティへの働きかけをしたいと考えていますか?

荒牧氏:『ファイナルファンタジーXV』はたくさんのファンができて、ファンの皆様に支えられましたが、ルミナス・プロダクションズもまた、ルミナス・プロダクションズのファンという人ができてくれるように努力していきたいと思います。ファンになっていただくのは、技術的なアプローチに対してかもしれませんし、ゲームデザインを好きになってくれるケースかもしれませんし、アートワークからファンになってくれる人かもしれませんね。

『ファイナルファンタジーXV』では当初のマーケティングの予想よりも、はるかに若い世代の人がプレイしてくれました。また、女性のユーザーさんも非常に多かったことにも驚かされました。その経験を活かしつつ、コミュニティにしっかり向き合って、新しいファンを獲得して大事にしていきたいです。

なるほど。コアなゲームファンに向けてはどうですか?

荒牧氏:実は、『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』のときには、Steamのフォーラムを毎日のように私がチェックしていたんですよ。「ゲームにどういう機能をつけたらいいかな……」なんて考えていました(笑)。成熟したゲームユーザーさんやコミュニティにもしっかりと向き合って、ゲーム作りをしていきたいなと思います。

わかりました。最後にまとめとして、多様性がさらに増すゲーム業界においてルミナス・プロダクションズはどのような方向を目指しているのか。お聞かせ下さい。

荒牧氏:『ファイナルファンタジーXV』は海外の売上も良かったのですが、意外なことにブラジルやロシアといった国でもユーザーが遊んでくれました。あとは、多くの若い世代の人がプレイしてくれているというデータもあります。

市場をしっかり調査して若い世代の人にアプローチしつつ、RPGが好きな世界中の人に作品を届けていくことが大事だと思っています。我々の個性をさらに伸ばし、新しいゲーム体験を世界に届けるために何をしていけばいいかを常に考えることのできるスタジオでありたいと思っています。

荒牧岳志

荒牧岳志(あらまきたけし):2002年に株式会社スクウェア(現・株式会社スクウェア・エニックス)入社。『ファイナルファンタジーXV』、及びゲームエンジン「ルミナス・エンジン」のリードプログラマーを務め、『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』ではディレクターを務めた。2018年12月にルミナス・プロダクションズのスタジオヘッドに就任、現在に至る。

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